結婚できる女の条件
「結婚しない三十代」が急増している中で、とりわけ目立つのが、これといって欠点もなく、一見イイ女であるはずの女性が、結婚しない、あるいは結婚できないだけでなく、彼氏もいない場合が多いことだ。
こういう女性を観察すると、一定の共通点があることを発見する。彼女たちは比較的高学歴であり、まともな中流家庭に育った人たちばかりである。同世代の男性に比べれば仕事もできるし、収入も多い。趣味や稽古事に通うだけでなく、エステやフィットネスクラブなどに通って、「女磨き」にも精を出している。とびきりの美人ではなくても、ルックスは悪くない。こういう女性がなぜ、男にもてないのだろうか。
男の立場からはっきり言うと、こういうタイプは、結婚相手としては敬遠したくなる女性の最たるものなのだ。なぜか。
それは、彼女たちが努力の対象としているものが、そのまま男に求めていることであることが、見え見えだから。「高学歴」、「高収入」は当然のこと。趣味やスポーツなどにもすぐれ、わがままな自分を受け入れてくれる寛大さもそなえた人であってほしいと、言わずもがなにアピールしていることになる。
そんな女性と結婚したら、体力の限界まで働かされ、彼女の物質的な欲求を満たし、その自尊心や虚栄心を満足させるためだけに人生を捧げなければならなくなることを、男は直感的に感じ取る。
そういう女性に限って、いい男を見つけると、付け焼き刃の「良妻賢母」ぶりで迫ってくる。だから男はますますドンビキになる。
自分のタイプにマッチする男には熱心にアプローチするくせに、それ以外の男には目もくれない。それは、結婚したあと、自分が病気になったり、仕事や財産を失ったとき、さっさと離れていく人であることを意味するのだから、敬遠したくなるのは当然だ。
女性のやさしさが本物であるかどうかは、およそ女性にもてそうもない男に対してもやさしくできるかどうかで判断できる。どんな間抜けな男でも、結婚を意識しているような男は、常に女のその部分を観察している。
かつてオレの主宰している勉強会に数人の女性が飛び入りで参加してきたことがある。結婚情報誌でこの会の存在を知ったというから、参加の目的が勉強ではなく、異性との出会いを求めてきたことは明白だ。
フリーライターを中心とする勉強会に参加するような男性は、どんな可能性をもっていても、現状は貧乏人がほとんどだから、彼女たちの目にかなう人がいるとは思えない。彼女たちはそれっきり来なくなった。
こんな考え方や価値観の人がいろいろなパーティーやサークルを渡り歩いたとしても、すばらしい人と出会えるはずがない。いや、仮に出会ったとしても、まともな人からは相手にされないだろう。
もしアンタが1年以内にどうしても結婚したいのなら、男をハカリにかけるという発想を捨てて、身近にいる結婚対象外の男にもやさしく接することができるようになるための修業を今すぐ始めなければ無理だ。
だからアンタは今年も結婚できない
(C) 2008 by Mitsuhiko Takeshita
ミッチャンのエセエッセー by 竹下光彦